事業者・農業者の“いま”
小高区にてサツマイモ(紅はるか)を栽培し、自ら干し芋へ加工製造している渡部義則さんをご紹介いたします。
渡部さんは、養蜂や太陽光発電設備の設置などを手掛けるClean&Bee総合企画合同会社の代表者。2022年から東日本大震災後に使われなくなった広大な非耕作地を利用し、サツマイモの栽培を始め、加工用のサツマイモとして九州地方に出荷しています。生産している品種は「高系14号」の派生品種「鳴門金時」。糖度が高く人気の品種です。
干し芋製造に至ったきっかけは、とある機会に干し芋の加工工程を目にし、「自分もやってみようか」と感じたのが始まり。チャレンジ精神旺盛な渡部さん、六次化商品(生産・加工・販売を自前で行う)として、出荷用のサツマイモとは別に、「紅はるか」という高い糖度とねっとりした口当たりの品種のサツマイモを干し芋用として生産。紅はるかは麦芽糖を多く含み、焼き芋・干し芋として一番人気の品種。
渡部さんの加工場では1日に120~130㎏ものサツマイモを加工しますが、加工はすべて手作業で行われます。収穫後のサツマイモを大きさごとに選別し、業務用蒸し器でふかします。ふかしたサツマイモはひとつひとつ丁寧に皮をむき、スライサーでスライス。柔らかく粘度があるので、慎重に行います。その後は乾燥機で18時間ほど乾燥後一旦冷凍。冷凍することで余分な水分がさらに抜け、自然な甘みが凝縮されるそうです。商品としてパッケージングする頃には輝くような黄金色。一見しただけで甘みが伝わってきます。
干し芋のパッケージは、地元の相馬総合高校の美術部員の生徒にデザインをお願いしました。イラストで小高区の豊かな山並みと、渡部さんが作るはちみつ、サツマイモが描かれ、「はちみつ屋さんの干し芋」の商品名で販売されています。南相馬市2か所の『道の駅』や農産物直売所での取り扱いのほか、順次地元スーパーでの販売も開始されています。関東圏の農産物専門店での取り扱いも開始されるそうなので、見かけた際には是非お手に取っていただき、小高の自然とあたたかさが詰まった味を感じてみてください。
「はちみつ屋さんの干し芋」120g入り 550円(税込み)
お問い合わせ:Clean&Bee総合企画合同会社 0244(44)3933
2024年3月13日掲載
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