まちの“いま”
(楢葉町)「大谷鳥小屋祭」が開催されました!
1月11日、楢葉町大谷地区で正月の伝統行事「鳥小屋祭」が行われました。古くは江戸時代にさかのぼる「鳥小屋」、元々は田畑の害鳥を追い払うため、小屋の中に燃料となる炭団(たどん)や酒・食べ物を持ち込み、一晩中交代で見張っていたと伝えられ、小屋を焼くのは正月の火祭りと結びついたものと云われます。元は、結いの農家ごとにひとつずつ作られていたという事ですが、今は各行政区で行うのが一般的です。
大谷地区では、「大谷行政区・大谷鳥小屋実行委員会」が祭りの復活・伝承にあたっており、五穀豊穣、無病息災、家内安全など、「先人の知恵に触れること」の大切さを伝えています。「鳥小屋」は竹と萱(かや)で構成され、作り上げるのに8人がかりで3時間程度を要するそうで、「以前はモミの木も使用され、“バチバチッ”という大きな音と、竹が勢いよく裂ける時の轟音が迫力を増し、非常に盛り上がった」と、新妻一芳・大谷行政区長がお話しくださいました。
この日は避難指示が解除されて以降、7回目の開催との事でしたが、再開当初の2回は有志の皆さんで、3回目以降は行政区が主催者となって伝統の神事を守っているそうです。会場では、甘酒やとん汁が振舞われ、地区の皆さんも正月飾りや御札を持ち寄り、笑顔あふれる和やかな雰囲気に包まれました。
大谷地区は、阿武隈山地を水源として、鮭が遡上する日本有数の河川・木戸川の北側に位置し、田園風景が広がる、農業(稲作と甘藷栽培)の盛んな地域です。現在は、若者が減少し、農業の後継者不足が大きな課題ですが、「今日のような行事を通じて、これからも地域のコミュニティを大切に守っていきたい。」「今年も豊作となり、地区の皆さんが幸せで健康に過ごせることを心から願っている。」と、新妻行政区長は、目を細めて抱負を語ってくださいました。
その後、辺りは暗くなり始め、「鳥小屋」に火をつけると(17時頃)、めらめらと燃え上がる炎に、この日一番の盛り上がりが見られました。そして、火の勢いが段々と弱まってくると「鳥小屋」のまわりには地区の皆さんが集まり、竹の先に薄く切った餅を挟んで焼き始めました。小屋を燃やした後の炭火で餅を焼いて食べると、一年間風邪を引かず、健康に過ごせると云われているそうです。伝統の神事「鳥小屋」が永く後世に継承され、地区の農業活性化と皆さんがいつまでも健康でいられることを、心からお祈り申し上げた一日でした。
2025年1月17日掲載
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